不在

 事務所はいつものようにしんとしている。ときどき、印刷会社社長としての大智宛に、仕事の電話が鳴る。  ぬるく淹れた番茶をすすりながら暇を持て余す夕莉は、電話口に出ても大智が不在だということしか伝えることができない。相手のなまえくらい確認しておくようにと、何度も大智に注意されるが、注意されたことを思い出すのはいつも受話器を置いてしまった…

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設定

夕莉《ゆうり》 いろいろあって大智のところに居候中。 世間知らずで無節操。流されやすい。 大智《だいち》 いろいろあって夕莉の寝食の面倒をみている。 小さな印刷会社をやっている。 * * *

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